人もすなる象徴詩といふものを

われもしてみむとてするなり

供犠


太陽神に生贄を捧げる男が丘に登ってきた。
寄る年波に喉をぜいぜい鳴らし
足元あやしくよろぼいながら、
見ればどこかに傷を負っているのか、
衣の下から血がしたたり落ちている。

丘には木がまばらに生え、
小さい泉がさらさらと地を潤していた。

杖をたよりにここまで来たが、
男はすでに疲れ果てていた。
男はこれまで屠ってきた何人もの若者を思った。
そして自分にはもう神へ供物を捧げる力がないと悟った。

男はそのまま聖壇の上につっぷした。
そこは、男が数々の供犠を行った場所であった。
もうこうなってはわが身を神に捧げるしかない。
神は男の行為を嘉されるであろうか。
男はそんなことをぼんやりと考えた、
照りつける日射しにぎらぎら光る血だまりを見つめながら。