人もすなる象徴詩といふものを

われもしてみむとてするなり

憂鬱


見はるかす落日の金色の光が
放射状に延び拡がり、舞い降りる。
そのまぶしい金粉に虹吐き
遠い昔のノスタルジア
夕闇が濃くなりまさるにつれ
深々としたメランコリアを大地にもたらす。

あゝ懐かしのメランコリア
ひたひたと押し寄せる遠景よ
おまえの黒く、冷たく、湿った手で
万象に薄墨色の屍衣をまとわせよ。

私はといえば、せめて軽やかな沓で
死せる都を闊歩したい。
踏みしめる甃石の硬さを
蹠にしかと感じていたい。