人もすなる象徴詩といふものを

われもしてみむとてするなり

そぞろあるき


草ぼうぼうの荒地を横切ってゆく修道女のように
私たちが隊伍を組んで歩いたのはいつのことだったか?
たしかにそんなことがあったのだ。
いま思えば夢のようだが。

夢の中でのように、荒地を歩く私たちを
スナップショットに撮ってくれた写真屋さんは
その後どうなってしまったのか?
できるものなら改めてお礼がしたい。

修道女のように聖らかだった私の少女時代。
いまやそれを知る人はこの世に私しかいない。
私だけの思い出は、しょせん私が見守るほかはないのだ。

あの日隊伍を組んでさざめき合っていた私たちは
自分たちを未来からじっと見つめている親しげなまなざしを
ぼんやりとでも背後に感じていただろうか。