2021-04-09 窓 彩絵硝子の窓の向こうに 女の白い手がすこし開いた窓の向うに ほのかに見える 白い小さな手が私をまねく月影にけぶるその館は 澱んだ沼の瘴気にほだされて すでに半分方姿を消しているグリザイユから浮び上った女の手が 私をその館にまねくさて今宵の演し物は何であろうか