人もすなる象徴詩といふものを

われもしてみむとてするなり

黄昏


旅先で迎える暮方には
つねに人の心をかき乱す何かがある。

私は思い出す。
きみと二人で、いや、
われわれのグループで迎えたあの一泊移住の夕べ、
あのとき私は確かに人生の高潮にあった。
親しい仲間と、愛する友がいるとき
一日の終りはなんと美しいことか。

「落日の消えゆく中に 遥かなる
横笛の調べひとふし 望ましや」

こう歌われた黄昏どきの横笛のひとふしは
秋の日のヴィオロンよりも切なく
いまなお私の心の耳に響いている。


註。括弧内はヴェルレーヌの引用