人もすなる象徴詩といふものを

われもしてみむとてするなり

ヴァン・レルベルグ「神秘の薔薇の樹」

幾千もの薔薇をつけた、
美しい楽園の薔薇の樹よ、
芳香に包まれて輝き、
光のなかに憩う樹よ、

誇りかな薔薇をつけた、
閉ざされた苑の美しい薔薇の樹よ、
そなたに親密な木蔭がつくる網の目を
下草の上に拡げるものよ、

そなたのまわりには、
あのつつましやかでやさしい婢女たちが、
身をふるわせながら、西から東へ、
ゆっくりと滑っては戻ってくる、

そうするうちに、夜が忍び足で近づいてきて、
そのヴェールを彼女らの上に拡げ、
おのが懐へ抱き込んでしまう、
あの厳かな時がやってくる。

無数の薔薇をつけた薔薇の樹よ、
そなたは己のうちに、私たちの心を彼女らと一つにする、
そなたの輝かしい子供である彼女らと、
木蔭でそなたに仕える私たちと。