人もすなる象徴詩といふものを

われもしてみむとてするなり

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ヴァン・レルベルグ「墓碑銘」

薔薇や木蔦に交じって 百合が生い出づる大理石の下に、 かつて愛と光そのものだった ひとりの少女が眠っている。夜になると、天使がきて 額の上に歓喜の印をおき、 安らかな死が彼女を 永遠の若さのうちに眠らせる。だから、嘆くことはない、 行きたまえ、旅…

ヴァン・レルベルグ「死」

ああ、その手はなんと小さく白いことか。 まるでうなだれた花のようだ……彼女は憩い、眠っている。 彼女は死に触れたのだ。その身はうつろで、すっかり軽い、 その身はこの世での役目を了えた。どうぞ彼女を連れて行ってください、主よ、 彼女は幸福に触れた…

ヴァン・レルベルグ「訣別」

宵闇が薔薇の茂みを通って行った。 このあえかなる魅惑を乱すのを恐れ、 知られざるものたちが、官能的に、 海によく似た、ヒアシンス色のヴェールで 事物を覆って押し鎮めた。 すべては静謐のうちに消えてゆき、 もはや触れえぬ昨日の日となった。 死せる事…