人もすなる象徴詩といふものを

われもしてみむとてするなり

2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ヴァン・レルベルグ「夕暮時」

空が翳り 東から西へと、 沈黙のうちに 柔らかな手で 暗色の絹に蒼白い星を織り込んだ 薄紗を拡げる。黄昏と黎明との 両岸にまたがる眠りが、 夢の蔓草で、 今日の一日を明日へとつなぐ。過ぎゆく時が 歩みを止め、テラスの入口で サンダルの紐を結ぶ、 そし…

ヴァン・レルベルグ「薔薇のアーチの下で」

そこは永遠の微笑が嬉戯する 庭園にしてまた居処。 日時計の青い影と泉とが 時を刻む。 そこではすべてが思い出の中にあるかのよう。 戸口には孤独と夢想とが 二匹のおとなしいスフィンクスのようにねそべっていて、 だれもその戸口を跨げない。金の階段の上…

ヴァン・レルベルグ「曰く言い難きもの」

魂と火とのひとつがい、 翅と花との絡み合い、 君らに似合いの言葉を 私は心中に探し求める。しかし君らは曰く言い難きもの、 君らのふしぎな歌は あるかなきかの接触と放射状の沈黙とによるほか 表しようもないものだ。なればこそ、心優しい女が 委細を知ら…