2023-01-28 ヴァン・レルベルグ「薔薇のアーチの下で」 翻訳詩 そこは永遠の微笑が嬉戯する 庭園にしてまた居処。 日時計の青い影と泉とが 時を刻む。 そこではすべてが思い出の中にあるかのよう。 戸口には孤独と夢想とが 二匹のおとなしいスフィンクスのようにねそべっていて、 だれもその戸口を跨げない。金の階段の上に白い扉がある。 手すりには昼顔がからみついている。 通路の上にはみごとな花飾りや 薔薇のアーチがある。 そこを登ってゆくのはただ光あるのみ。光は目に見えない女王の裳裾、 あとに続くのは 沈黙という名の扈従。