人もすなる象徴詩といふものを

われもしてみむとてするなり

ヴァン・レルベルグ「訣別」

宵闇が薔薇の茂みを通って行った。
このあえかなる魅惑を乱すのを恐れ、
知られざるものたちが、官能的に、
海によく似た、ヒアシンス色のヴェールで
事物を覆って押し鎮めた。
すべては静謐のうちに消えてゆき、
もはや触れえぬ昨日の日となった。
死せる事物は不滅の相を呈し、
他のものはものうげに空に立ち昇っていった、
すべてのものはわれらの心に悔いを残すことのないよう、
われらを忘れ、またわれらに忘れられた。

けれども、この至高の時にあって、
われらの顔はなおも幸福のほうを向き、
夜に遅れ、訣別に、涙に遅れ、
われら自身に遅れ、
たとえ虚しい望みだとしても、われらはこの美しい日を
いま一度生きたかったのだ、孤独なわれらに宵闇が迫り、
孤独なわれらは事物を振り払うことができなかった、
薔薇の花から匂いが失せ、
われらの戸口から光が消えるそのときにも。