人もすなる象徴詩といふものを

われもしてみむとてするなり

ヴァン・レルベルグ「尋ねたれども得ず」

おのれの心の中に眠るがごとく
安らかに彼女は眠っている、
あたりはしんと静まり返っている。
彼女がいま見ている夢を窺い知るわけにはいかないけれども、
それは愛神アモルが遣わしただれかの夢で、
彼女に近づき、指で彼女の目に触れて、彼女をうつつに呼び戻す。

彼女は跳びあがって目を覚まし、
茫然自失のていで、
流れるような明色の髪を白い手でかきあげる、
まるで花が大気を押し上げるかのように。
そしてこう呟く、あれはただの夢だ、
しかし私の見たもの、聞いたものは何だろう?
天使が天翔けったとでもいうのだろうか。

いやそうではない、何ひとつ動きはしない。
けれども、薔薇の影は赤く染まり、
ひとひらの葉が静寂のなかに落ちていった。
曙の光は私の目をくまなく照らした。

私の吐呑する空気は、
私の命と混ざり合って、
生き生きと光り輝く。

扉の下から滑り込んでくる神秘的な今日という日は
薔薇の花でいっぱいだ、それはだれかが私のところへ持ってきて、
戸口でその花を摘み取るのだ。