2021-01-06 淫佚なる庭園 私は淫らの園の庭師である。そこでは蛇の愛撫がねっとりと絡みあい、 木苺の実の欲望がこぼれ落ちる。 池に浮ぶ蓮華の花は 女神の裸身と妍を競うかのよう。節くれだった根茎が地を匐い、 茸は得たりや応と胞子を放つ。 蘭(ラニ)の香は月に流し目を送り、 韮(ニラ)を相手に恋の鞘当てに余念がない。淫らの園のファウナやフローラ、 父娘戯け(オヤコタワケ)、兄妹戯け(キョウダイタワケ)はお手のもの、 下根の品性そのままに、 常住坐臥造次顛沛、 ここを先途と婚(マ)きて婚け。