人もすなる象徴詩といふものを

われもしてみむとてするなり

ヴァン・レルベルグ「未来の歌」

シェヘラザードよ、そちのみごとな話を続けてくれい。
すでに鳥はさえずり、夜明けがやってきた、
わしらが明日と呼んでおったその日が。

曙に薔薇の花が目をさます。
いまひと日を生き永らえんことを思え、
わしが生きておるのはそちのみごとな話を聞かんがためじゃ。
いやそうではない、わしの魂は少しも変りはせぬ、
否、これは新しき時などというものではない、
同じ時間が同じ夏の朝のうちに
延びておるまでじゃ。
過ぎ去った日々がわしにとって何であろう。
そんなものは端っからなかったも同然じゃ。
すべてのことどもは未来に属する、
いまこの時がすなわち永遠なのじゃ。
見よ、同じ枝にまた
同じ花が咲く、
わしらの頭上、わしらの心の上に拡がるのは
つねに同じ空じゃ。
夢みる女よ、さあ、話すがよい、
言葉はそちの美しい唇にのって
「欲望」の翼のように天翔けようぞ。
そちの言葉にはつねに未来がある。
歌うてくれい、そちの伝説的な声は輝かしいことどもでいっぱいじゃ、
それら輝かしいことどもはいっとき空の高みから舞い降りて、
この地上をかすめたかと思うと、
また天空へと舞い上っていくのじゃ……

シェヘラザードよ、そちのみごとな話を続けてくれい。