人もすなる象徴詩といふものを

われもしてみむとてするなり

2020-01-01から1年間の記事一覧

供犠

太陽神に生贄を捧げる男が丘に登ってきた。 寄る年波に喉をぜいぜい鳴らし 足元あやしくよろぼいながら、 見ればどこかに傷を負っているのか、 衣の下から血がしたたり落ちている。丘には木がまばらに生え、 小さい泉がさらさらと地を潤していた。杖をたより…

蜂の巣

こちたき時を刻む漏刻、 その絶えだえの響きが 有漏の身に沁みとおる。 梵鐘のように、 谺のように、 妙(タエ)にしみらにつきまとう。そのうねりは蜜蜂のうなりのごとく、 群をなしてあたりをおおい、 侵食を一面に繰り広げつつ いつしかそれを蜂の巣に変えて…

はじめに

同一IDでの三つめのブログ。やはり象徴詩というものをちゃんと理解するためには、自分でも作ってみないといけないのではないか、と思って、それ用のブログを用意することにした。もちろん、象徴詩のよい読み手は、書き手と同じくらいに「創作」することは、…