人もすなる象徴詩といふものを

われもしてみむとてするなり

ヴァン・レルベルグ「福の神」

これはこれ福の神様、音もたてずに入らっしゃる。
家ではみながお待ちかねじゃ。
卓上はいつも万全の備えで、
夜燈もあれば祝杯もある。
ああ、福の神様の歩みのなんとお美事なこと。
まるで旅する神様のようじゃ。
門口に薔薇の花を飾るがよいぞ、
神様の居心地のいいように……
一瞥しただけで一切をご承知、
黙ってにこにこと笑っておられる。
わが家にはパンもあれば葡萄酒もある、
庭でとれた果物もあります。
大人しい、優しい神様よ、
どうぞ長くこちらにいらして下さい、
せめて今夜はお泊り下さい、
ありがたいお客様、どうぞゆっくりしていって下さいまし。