人もすなる象徴詩といふものを

われもしてみむとてするなり

翻訳詩

ヴァン・レルベルグ「蜃気楼」

あのさざめきは水のどよもしでもなければ、 葦辺をわたる風の羽音でもない。 それは夢想によって虹色に輝くひとつの魂、 その口がたわむれに発する声音はさざ波のごとく、 そよ風は月ときらめき、 歌とかがよう。 いかなる思考も、 その頭を取り巻く、 淡い…

ヴァン・レルベルグ「待つこと」

敬虔な天使たちに導かれてやってきた、 目に見えない曙光の世界から、 私の目を覚ましにくるのはだれ? もう日がのぼる。私はまだ夢をみている。薔薇の苑の上を吹く、 やさしい風の魅惑が、 海の底の夜明けのように 私の青い瞳にみちわたる。定かならぬ時、…

ヴァン・レルベルグ「プシュケー」

きみの火のような目を見開いてごらん。 だが、静かに、アモルが眠っている。 さ、立っておいで、プシュケー、わが魂よ、 きみの黄金のランプを手に取りたまえ。よく見るがいい、アモルが目をさますところだ。 ごらん、きみのまなざしがもたらした 光と驚きの…

シャルル・ヴァン・レルベルグ『アントルヴィジオン』序詩

さて君に何を語ろうか、 未知の涯からこの孤独の国へやってきて、 草葉の茂った宵闇に、静かな憩いを求める君よ、 いまこの時、君のために、 しとやかな君の妹たちが 歌を歌いながらすっくと立ち上がる。 親愛なる魂よ、 闇の奥からシバの女王のように現れて…