ヴァン・レルベルグ「春を告げるもの」
四月、朝まだき、
君によく似た金髪の妹たちが、
いまこの時、いっしょになって君のところへ押しかける。
なつかしい愛の神アモルよ。
君は白い桃金嬢や山査子の咲く
ほの暗い囲みにいる。
扉は枝のあいだに開き、
道は神秘に満ちている。
妹たちは丈の長い服をつけ、
めいめい手に手をとって、
夜が朝に変る
不明瞭な境を通り過ぎてゆく。
まっさきにやってきた娘は
蔭を覗き、君を見つけ、声をあげる。
ぱっちりした彼女の目は金色の笑みを浮べ、
けざやかに花と開く。
妹たちはみないじらしくふるえているけれども、
君の唇が彼女らの唇に触れると、
君の口の発する光明が
彼女らの心の中まで明るく照らす。