人もすなる象徴詩といふものを

われもしてみむとてするなり

ヴァン・レルベルグ「愛神アモル」

二人の子供がアモルと戯れている。
一人は目が見えず、一人は耳がきこえない。
音のない世界で彼を見ている子供は、
官能的で甘美な名前がアモルの口から発せられるのを、
その唇の動きに読もうとする。
唇の上に、
永遠の神秘に包まれた神の名前がふるえ、
輝きだすのを見守っているのだ。
唇はものうげに長く延びる。
これは花に吹きかけられた息吹だろうか。
それとも、見たとおり、
ふるえる口づけの音にすぎないのか、
絹の音か、天鵞絨の音か……

二人の子供がアモルと戯れている。

暗闇のなかで彼の声をきいている子供は、
その陰鬱で魔法めいた名前を耳にする。
しかしこの昏い世界の魂には、
「彼」がそう名乗るこの未知の存在の美しさも、
蒼白い壮麗さも、
甘く遠いささやきにすぎない、
ちょうど薔薇や繻子のそれのように……
それはさんざめく海の音、
真珠が落ちてゆく水の音だ。
はっきりした音、それからくぐもった音……

二人の子供がアモルと戯れている。