人もすなる象徴詩といふものを

われもしてみむとてするなり

ヴァン・レルベルグ「復帰」

白鳥の群が雪景色を横切ってゆく、
白鳥か、はたまた天使か。
すべては天鵞絨に包まれたように静かで、
すべてはただ白い。
きみは波打つブロンドの髪を
雪のなかにふりほどいて、
銀色の鐘の音が甘く響くなかをひた走れ。

雪が降っている、気のよい羊飼いが
羊を腕に抱いて通り過ぎる。
後に従う羊たちは疲れていて、
気のよい羊飼いも疲れている。
夕闇が迫る、羊たちはふるえている、
北風は狼のように音もたてずにそこらをうろつく。

羊たちは膝まづいた羊飼いの
まわりにうずくまる。
寂しい、単調な鐘の音が響いて、
子供たちがクリスマスの歌を歌うのがきこえてくる。
青ざめた窓ガラスに明りが灯る、
まるで祈りを捧げる魂のように。
大いなる静寂が天から落ちてくる。

けれども春の薔薇に身も重く、
愛神アモルが熱い息吹のようにやってくる、
アモルは光を撒き散らし、
茨や柊、
桃金嬢や薄雪草のあいだを
狼のように通り過ぎる。

きみは波打つブロンドの髪を
雪のなかにふりほどいて、
銀色の鐘の音が甘く響くなかをひた走れ。
野生の心をもつ暗い娘よ、
嫉妬に燃える目をしたおそるべき美女よ。
茨や柊のあいだを駆け抜けろ、
その涜神的な足で
雪を踏んで、
狼どもを養え。